毎年8月に行われる「あいおえび狩り世界選手権」。1万匹のクルマエビを一斉に捕まえる、人気のイベントです。そんなえびの町として知られる山口市秋穂地域に、近年、ある異変が起きています。変わっていく環境の中で地域の魅力を発信しようと奮闘する秋穂漁協女性部の活動を取材しました。

秋穂漁協女性部副会長・平田冨美江さん
「諦めたらもうおしまいじゃないですか。自分たちで、みんなが初めの1歩を踏み出せば、それが大きくなって秋穂が活性化するんじゃないかと思ってます」
山口・秋穂の海に異変が
山口市秋穂。瀬戸内海に面し、古くからエビ漁が盛んに行われてきました。そんな秋穂に今、異変が起きています。

漁に出る船漁師の濵村啓さん(50)。この日は、あさ5時から漁に出ました。狙うのは、タコ。事前にしかけておいたわなを1つ1つ手でたぐり寄せます。一つ目のわなには、立派なタコが入っていました。
濵村啓さん「なんか足が短くておいしいらしいです、秋穂のタコは」
濵村さんは10個のわなをしかけていて、週に1~2回漁に出ています。船を操縦するのは漁師歴55年の大先輩で、義理の父・田中秀鴻さん(81)です。

タッグを組んで次々とわなを上げていきますが、すべてがうまくいくわけではありません。

濵村さん「だめですね、クラゲばっかりだ」
近年、漁獲量は減ってきているといいます。
濵村さん「どれくらい…?もう天から違う。天からって分かるかな。もう漁自体が。だからあんまり小さいのは逃がしたりしますね。やっぱ水温とかも変わってきてるんじゃないかな」
朝日が出た後もわなを船に上げ、えさを入れて海に戻すことを繰り返します。不安定な船の上ですべて手作業で行うため、かなりの体力を使います。この日はおよそ2時間で5匹のタコを取りました。
濵村さん「どこも漁獲量は下がってきてると思いますよ。で、燃料だけ上がるからもうほんと。エビ、カニ、シャコ、もう取れんくなりましたね。幻みたいになってる」














