大分市で2021年時速194キロの車との事故で弟を亡くした女性が全国の遺族らと共に会を立ち上げ、法の運用の見直しを求める活動を始めました。
猛スピードや飲酒運転などの悪質な交通事故で家族を失った全国の遺族など9人が21日東京都内に集まりネットワーク、「暴走危険運転被害者の会」を立ち上げました。
会の代表となった長文恵さんは2021年2月大分市大在の県道で発生した事故で、弟の小柳憲さん(当時50)を亡くしました。
起訴状によると事故の相手の当時19歳の男は時速194キロで乗用車を走行させ、交差点を右折しようとしていた小柳さんの車に衝突しました。
この事故をめぐり大分地検は2022年7月過失運転致死罪で起訴しました。
これを受け遺族はより刑の重い危険運転致死罪の適用を求めて約2万8千人分の署名を提出。再捜査などの結果、2022年12月、地検は起訴内容を危険運転致死罪に変更しました。
今回発足した「暴走危険運転被害者の会」では起訴内容の変更について「軽い罪名で審理される恐れがあった」として、法が十分に機能していない現状が指摘されました。
また今年2月、栃木県宇都宮市で時速160キロ以上の車に追突されバイクに乗っていた男性(当時63)が死亡した事故について、車を運転していた男が当初の大分の事案と同様に過失運転致死罪で起訴されたことなどを受け、「暴走危険運転被害者の会」では今後、危険運転致死罪の運用について国に要望書を提出するほか、法が適切に運用されているか実態調査を求める方針です。
長さんは「故意に危険な運転をしたドライバーに厳罰を科さなければ抑止にならない。多くの人に遺族が感じてきた不条理を知ってほしい」とコメントしています。