河井克行元法務大臣による大規模買収事件で、当時、広島市議会議員の捜査にあたった東京地検特捜部の検事が、供述を誘導したと受け取れる音声データがあることを、議員側の弁護士が明らかにしました。

音声データをめぐっては、被買収側として裁判を控えている元広島市議の弁護士が会見を行い、「データがある」と明らかにしました。

弁護士によりますと、音声データは、元広島市議が2020年に東京地検特捜部から任意での取り調べを受けた時のもので、東京地裁で行われた克行氏の裁判の証人として出廷した際の証人テストの録音も含めて、10時間以上の内容が録音されているということです。

元広島市議の弁護人 田上剛弁護士
「『不起訴である、軽い処分、そういう方向でやりたい、議員を続けていただきたい』という文言を使いながら、議員を続けたい気持ちにうまく入り込んで供述をとっている感じがする」

元市議は、2020年3月に最初の聴取を受けた際、「調書の内容が事実と違う」と伝えたにもかかわらず訂正してもらえなかったことに不安を感じ、それ以降の取り調べを録音したといいます。