連日の暑さで、昼夜を問わずエアコンを使用するよう盛んに呼びかけられていますが、電気代も気になります。

こうした中、愛知県蒲郡市では今年から新しい取り組みが始まっています。


(報告:荒川栞記者)
「きょうも日差しが強くかなり暑いです。ここに涼しいスポットがあるそうなので行ってみます」


蒲郡市役所に入ってすぐのスペースが、市民に午前8時半から無料開放されていました。


まちの涼み処「涼(すず)みん」を案内するポスターです。

「涼(すず)みん」は、三河弁で「涼んで」という意味。市役所で用事を済ませた人や近くの人が利用していました。

(利用者)
「涼しかった。ちょっと来て休むのにいい」


「ここ最近暑い日が多いので、休憩がてら涼んで体調整えてから行かないと。体調崩したら仕事ができないので」

蒲郡市はこの「クールシェア」の取り組みを今年から行い、市民の熱中症予防を目的とした休憩場所として定着させたいと言います。

(蒲郡市健康推進課 衞藤愛梨さん)
「自宅にエアコンのない高齢者や外出時、子どもの外遊びなど、猛暑から身を守るためにシェルターとしてご利用いただける施設。居場所作りとしての効果も期待しています」


蒲郡市の狙いはさらに、もう一つあって…

(蒲郡市健康推進課 衞藤愛梨さん)
「最近では電気代が高騰しているので、エアコンの使用を見直したい方にも利用していただきたい」

連日の「危険な暑さ」を乗り切るには、適切にエアコンを使うことがポイントです。

ただ、1人1台でエアコンを使うより、涼しい場所を一定時間みんなでシェアできれば、省エネの効果が期待できます。


冷房の使用時間を設定温度28度で1日1時間短縮すると、年間9.2キロのCO2の削減ができ、お金に換算すると約580円の節約になるといいます。


(利用者)
「(家では)節電でクーラーおさえめにしているので、公共の場で涼めるのは家計的にも助かる」


蒲郡市では市役所以外にも科学館や博物館、観光案内所など合わせて25の施設を冷房をみんなでシェアできる「クールシェアスポット」として案内しています。


(蒲郡市健康推進課 衞藤愛梨さん)
「少しでもめまいや立ちくらみを感じたら熱中症の疑いがあります。外出時にそのような症状が出たら迷わず涼みんをご利用ください」

夏休みの昼間に図書館で涼むことは昔からよく知られていますが、安全に夏を過ごすために「どうぞ公共施設で遠慮なく涼んで下さい」と言われる「クールシェアの時代」が当たり前になってきたようです。