脱炭素社会に向けて各国での開発が進むEV=電気自動車。その部品を製造する岡山市の企業が新たに赤磐市に研究所を増設しました。将来のニーズを見すえ新技術の開発を目指します。

ロボットがつくっているのは、EV車などのバッテリーのオイル漏れを防ぐ部品です。

岡山市に本社を置く内山工業は自動車部品などの製造販売を行っていて、国内で高いシェアを誇ります。今年(7月)4月、赤磐市の開発拠点に新たな研究施設を増設しました。

(内山工業赤坂研究所 山本博徳所長)「石油が枯渇しますというところ。それから環境問題。CO2を含めた温暖化ガスの排出を抑制しましょうというところが、もう世界的な流れですから」

2050年にカーボンニュートラルの実現を目指すとした政府の宣言を受け大手企業が開発を進める中、車に使用される部品へのニーズも高まっています。

これを受け、電気自動車の部品の開発を加速させようと研究拠点を拡充したといいます。

(内山工業赤坂研究所 山本博徳所長)「EV車(電気自動車)へ部品を供給することを通して私どもも環境に貢献する」

施設では新たに、技術の向上を目的に他社のEV製品の分解・研究を行うほか3Dプリンターで部品の試作を行うといいます。さらに環境に配慮した製品をと、部品に使われる素材を“杉の木紛”から生成する研究にも着手しています。

(内山工業赤坂研究所 コアテクラボ主任研究員 石田浩規さん)「本格的な活動を始めたのはこの建屋が建ってからです。2年、3年ではなく5年、10年と、かなり先のビジョンを見据えて活動に取り組んでいる」

最新の機械や試験室が揃う新しい開発拠点です。気分転換のため開放的な社員食堂も設け、研究の更なる効率化を図ります。

(内山工業赤坂研究所 山本博徳所長)「停電したり災害が起こったりしたときはEV車から家に電気が(供給)できるとか、そういう使い方もできる。私どもの部品を通して世の中がどんどん便利になって環境も良くなれば」

電気自動車の関連産業には、巨大市場としてさらなる期待が集まっています。岡山からも事業拡大の動きが加速しています。