「医療費の払い戻しの書類が返信されていません」などとかたるうその電話をきっかけに、高知県南国市の60代女性がおよそ95万円をだまし取られていたことが分かりました。

高知県警の調べによりますと、今月5日午後2時20分ごろ、高知県南国市の女性の自宅に市役所職員を名乗る男から電話で、「3月に送った医療費の払い戻しの書類が返信されていません。再度送ります」などと言われました。

数分後、市役所職員を名乗る別の男から電話があり、「払い戻し金額が1万8958円あります。受け取るために申請が必要です」「申請書の再発行手数料2160円が必要です」などと言われたということです。翌日、女性は市役所職員を名乗る男からの電話で銀行に行くよう指示され、「ATMに着けばコールセンターに電話をしてください」などと言われた後、050から始まる電話番号が伝えられました。女性はATMに到着しその番号に電話をかけると、男から「ATMを使って申請書の再発行の手続きをします」などと言われ、指示通りおよそ95万円を送金し、だまし取られたということです。

利用明細を見て知らない口座に振り込んでいることに気づいた女性が警察に相談し、被害が発覚しました。高知県警によりますと県内では今年に入り、特殊詐欺の被害が18件起きていて、被害総額は4600万円を超えています。高知県警は「払い戻しのある内容やATMに行くよう言われたときは詐欺を疑い、警察に相談してほしい」と呼びかけています。

【高知県内での特殊詐欺事件】(高知県警調べ)
2023年:18件(7月11日時点)
(架空請求:11件、還付金詐欺:5件、融資保証詐欺:2件、被害総額は約4616万円)
2022年同時期:15件
(架空請求:4件、還付金詐欺:9件、融資保証詐欺:1件、預貯金詐欺:1件)