上越市は11日、『国民健康保険』の事務処理に誤りがあり、本来支給されるべき「高額療養費」のうちの一部が支給されずにいたことがわかりました。

支給漏れが判明したのは計25世帯で、およそ1カ月前に市民から高額療養費の支給に関する問い合わせがあって判明したものです。

上越市によりますと、交通事故などの「第三者(加害者)による不法行為」によって、国民健康保険に入っている市民に対して生じた保険給付については、国民健康保険で立て替えた医療費分を、加害者に対して損害賠償請求をする仕組みです。
また、“自損事故”など第三者による行為に起因しないものについては高額療養費の支給対象になります。

上越市では、第三者行為が疑われる場合には高額療養費の支給を一旦保留し、支給要件についてを確認していますが、2019(令和元)年度から2021(令和3)年度に“保留”となったもののうち25件(74万1153円)についてが、第三者の行為には該当せずに「高額療養費の支給対象」であったことが判明したものです。

上越市によりますと、未支給だった高額療養費内訳は、2019年度は19世帯・33万4922円、2020年度は5世帯・40万2339 円、2021年度は1世帯・3,892円で、第三者行為に関わる高額療養費の支給事務における職員の理解不足と、正しい事務引継が行われなかったことが原因だとしています。

そのため今後は、第三者行為に該当しないことがわかった時点で、速やかに高額療養費の算定を行うことを事務手順書に明記するほか、事務処理の過程を複数人で確認するなどの強化を図って、再発防止に努めるとしています。

また上越市では、今回の対象となる25世帯の全てについて既に直接謝罪を行ったうえで7 月中に支給が完了するように手続きを既に済ましており、今回の件について7月11日以降に市の職員などが改めて被保険者に対して再度連絡や訪問などをすることは決してないので、上越市内などで続発している「市の職員などをかたる還付金詐欺などの特殊詐欺」にはくれぐれも注意してほしいとも話しています。