一夜明けて…

長引く雨に、土砂災害や河川の増水への警戒感はさらに高まりました。午前7時半。下関市内も雨が降り続き、川の水位も上がってきていました。
交通機関には大きな影響が出ました。JRは8日から9日にかけて、在来線のほとんどの区間で運転を見合わせました。山陽新幹線は大雨のため、きのう午前8時半から広島駅から小倉駅の間で運転を見合わせました。

早川晋矢記者
「山陽新幹線の広島・博多間が運転見合わせとなり、新山口駅の改札口では長蛇の列が出来ています」
JR新山口駅には足止めされた多くの人たち。職員が対応に追われていました。
新大阪へ向かう人
「めちゃめちゃ困ってて、どうしようかなと思ってたんです。僕もあした仕事だからどうしようかなと」
広島へ向かう人
「まだいつ動くかも確定はしていないって言われたので、それまで待ちます」
山陽新幹線は午後1時に運転が順次再開されました。高速道路は、中国道の一部と山陽道・宇部下関線の一部で一時通行止めとなりました。一般道でも下関市の関門海峡沿いを通る国道9号と、国道191号、宇部市の国道190号の一部区間で、路面の冠水などにより一時通行止めとなりました。
原田暖子記者
「午前8時、先週の雨により美祢線の線路が川に落ちてしまった現場です。今日も雨で川が激しく流れており、落ちた線路には草などの漂流物が着いているのが分かります」

1日までの大雨で橋脚が崩れるなどの被害を受けたJR美祢線。厚狭川は再び濁流となりました。特に被害が大きかった美祢市東厚保町では、9日も市の消防団などが安全を確保した上で、浸水した家具などの撤去を行っていました。3日から行われていた一般ボランティアの活動は雨で地盤が緩む心配があるため、中止となりました。
消防団員
「今の天候の状況などを鑑みて、決行できるっていうところと、まあ、どこかでやらないと、やっぱり作業も終わらないので」
住民の不安も募りました。厚保公民館には、災害を心配して避難してきた人の姿がありました。

避難した人
「さあ出ようったって、ここまでたどり着く手段がね、大変なんですよね。山が崩れてるとか、道がふさがれて、水が出てるとかあるから、自主的にまだできるときに避難しています」

今回の大雨では、県西部で道路の冠水や土砂崩れが相次ぎました。下関市の友田川から水があふれ出し道路が冠水したため、付近は一時通行止めとなりました。
部坂有香記者
「下関市の住宅街では、のり面が崩れ土砂が住宅の目の前まで流れ込みました」

下関市生野町では、住宅の横ののり面が崩れ、道路を土砂などがふさぎました。
近隣の住民
「奥の部屋で寝てたんですけど、どどっと崩れるような音がして、それに続いてごろんごろんと何かが転がるような音がして」
中村周記者
「こちら土砂崩れが起きた現場です。高さおよそ10メートルほどでしょうか。ざっくりと崩れているのが分かります。そして土砂を見ると、水が流れ出ていて、土のうが積まれるなど、作業が進められています」

下関市小野でも県道脇の山が崩れて土砂が道路に流れ込み、通行止めとなりました。いずれも、けがをした人はいませんでした。
近くの住民
「崩れるということは全然頭になかったもんね。また長雨が降ったら、また崩れるんじゃないかっていう心配はありますね」
降り始めからの雨量は10日午後4時の時点で、下関で338.5ミリ、宇部で323.5ミリ。先月からの大雨で浸水の被害を受けた美祢市・東厚保では299.5ミリに達しました。警戒はさらに続きます。今後しばらくは土砂災害の危険が高い状況が続くと予想されています。