線状降水帯の発生で大分県北部と西部に降り続いた記録的な大雨。中津市では増水した川に流されたとみられる女性の捜索が続いています。

(衛藤カメラマン)「夜通し降り続いた雨はやんでいません。川は濁流になって流れています」

10日の県内は梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、県北部と西部を中心に非常に激しい雨が降り続きました。9日夜からの気象レーダーの映像では、午前5時すぎ、それに8時すぎの2度、県北部と西部に次々と積乱雲が発生が確認され、「線状降水帯」が発生しました。

7日の降り始めから午後5時までの雨の量は中津市耶馬渓町で429.5ミリ、日田市椿ヶ鼻で399ミリにのぼっています。

(大分地方気象台・後藤貴士台長)「大雨特別警報を発表した。命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保してください」

大分地方気象台は重大な災害が発生している可能性が極めて高いとして、中津市と日田市に警戒レベル5にあたる大雨特別警報を発表。最大級の警戒を呼びかけました。特別警報の発表を受け、日田市と中津市は災害の危険がある地域に警戒レベル5の【緊急安全確保】を発令。避難所には最大で145世帯250人が身を寄せました。

(避難した住民)「山国川の波が怖くてすごく茶色かった」「今までと比べても比較にならないほどの雨が降っているので心配」

(佐藤知事)「まず何より人命最優先を念頭に置いて情報収集や対策を実施して欲しい」

一方、県は災害対策本部会議を開き、中津市の山国川に女性1人が流されたとみられると説明しました。また、日田市と中津市に災害救助法の適用を決めたほか、自衛隊の派遣要請も検討しています。

交通機関にも影響が出ていて、JR日豊本線は一時運休や遅延が発生したほか、高速道路も福岡方面に向かう東九州道と大分道が現在も通行止めとなっています。

午後5時半、大雨特別警報は大雨警報に切り替わりましたが、引き続き土砂災害に厳重な警戒が必要です。