銃撃され亡くなった安倍元総理の一周忌法要がおととい、営まれました。多くの政治家が「安倍元総理の遺志を継ぐ」と繰り返す一方で、死後も安倍氏の名を前面に押し出す姿勢には疑問の声も上がっています。
岸田総理
「安倍元総理の遺志を継ぎ、憲法改正、拉致問題等の国家的課題の解決に全力を挙げ、力強く、次の時代を切り拓いていく」
安倍氏の追悼集会で「志を引き継ぎ、次の世代にしっかりと繋げていく」と強調した岸田総理。
安倍氏が亡くなってからこの1年、政治決断をする上で、その存在を強く意識せざるを得ない場面が相次ぎました。
自民党 西田昌司参院議員(去年11月)
「安倍元総理がご存命ならば、必ずプライマリーバランス黒字化目標の撤廃を岸田総理に要求していたはずであります」
自民党 世耕弘成参院幹事長(今年5月)
「岸田総理はですね、この安倍元総理のご遺志をしっかりと継いで、防衛費倍増を決定していただきました」
保守派の政治家らは、その支柱だった安倍氏の「遺志」や「遺言」といった言葉を繰り返し、岸田総理に政策判断を迫ってきました。
それは、性的マイノリティへの理解をめぐり注目を集めた、LGBT理解増進法案の議論の場面でも…
自民党 高鳥修一衆院議員(今年5月)
「(LGBT理解増進法案の内容は)やっぱり自分の師であった安倍先生に申し訳ないなと」
“安倍氏の遺志”だとして政策を訴える自民党議員がいる一方、安倍派の稲田朋美元防衛大臣は、「安倍元総理は現実主義者だった。過去の言葉を判断材料にされて苦笑いしているのでは」と指摘します。
安倍派 自民党 稲田朋美元防衛大臣
「それぞれの政治家に安倍総理像があって、それはすごく大切にしつつも、政治家なんだから、そこから自分は自分の考えを言うべきだと思います」
なぜ、多くの議員が安倍氏の名を前面に押し出し続けるのか。選挙での支持をつなぎ止めるため、安倍氏を強く支持する保守層へのアピールを意識したものとみられています。
安倍派 自民党 稲田朋美元防衛大臣
「もちろん、岩盤支持層とか保守陣営から安倍元総理が非常に慕われていたのは事実だと思いますけれども、それをあんまり推測で、『安倍元総理だったらこうした』と言うこと自体は、私はあまりいいことじゃないと思っています」
安倍元総理の突然の死去から1年。政治家たちの口から安倍元総理のものではなく、自分自身の言葉が聞かれる機会は果たして増えるのでしょうか。
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