
川崎松雄さん:
ここに整理する人がいて、「ダメダメあっち行け」って。それでみんな行かされた。ここから、かなりの数。子どもたちは毛布かぶらされてここで寝ていたから。頭こうやって、いっぱい。それでここを歩いて行った。
川崎さん家族はさらに西へ必死に逃げ、陸軍の歩兵第49連隊、通称「甲府連隊」の訓練場前を通ります。
川崎松雄さん:
うちのおふくろなんか泣いていた。兵隊たちと行き会って「兵隊さん助けて」なんておふくろが言ったら、助けるどころか兵隊たちも逃げていた。そのころまだ飛行機が飛んでいて怖いから向こう(西)へ逃げるしかなかった。
さらに西へ西へと逃げ、最後は湯村山までたどり着きます。
そこで目にしたのは、今まで見たことがない光景でした。

川崎松雄さん:
焼夷弾が1ケース26本だか36本だか知らないけ、どどういうわけか一斉に横に並ぶの。バーっと火が散ってそれが一斉に落ちてくるの並んで。見ているのは一生懸命。そんなの今まで見たことがない。
焼夷弾が降り注ぎ、街が火の海となる様子をただ、じっと見つめていました。