14年前の7月5日、中国の新疆ウイグル自治区では、ウイグル族と漢族が衝突する「ウルムチ騒乱」が起きました。中国政府は以来、「テロ対策」の名のもと、ウイグル族など少数民族に対する抑圧政策をとってきているとされています。現地では何が起きているのでしょうか? JNNのカメラが入りました。

“抑圧”続く・・・カメラが捉えたウイグルの今

中国西部、新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市。装甲車や武装警察の姿が目につきます。騒乱から14年たった今も、厳しい警戒態勢が敷かれている様子がうかがえます。
今、漢族とウイグル族の間に緊張はないのか聞いてみると…

漢族の女性
「(騒乱は)一部の教育レベルの低い人が惑わされただけであって、大部分の人はいい人です。ウルムチは今とても治安がいい。安全です」

しかし、ウイグル族の人たちの口は重いままです。

ーー10年前に比べ、警察官が増えましたよね?

ウイグル族の男性
「(うなずく)それ以外の話をしましょう」

ウイグルで何が?「両親は“収容所”へ行った」

新疆ウイグル自治区をめぐっては、2022年、国連人権高等弁務官事務所が「深刻な人権侵害が起きている」とする報告書を発表。

「ウイグル族に対する恣意的な拘留が行われており、人道に対する犯罪に当たる可能性がある」と指摘しました。

特に問題とされたのが、中国政府が「職業技能教育訓練センター」と呼ぶ“再教育施設”の存在です。

施設の内部と見られる写真に対し、国連の報告書は、拷問や虐待が行われた可能性があると指摘しています。

私たちは、施設を訪ねてみることにしました。