大雨シーズン真っただ中。気になるのは水害への対策です。甚大な被害をもたらした2022年の台風15号で、辺り一面が浸水する中、浸水に耐えた家がありました。住人の防災意識の高さが自らのピンチを防いだ形です。
静岡市清水区に住む齊藤篤さん・敦子さん夫婦です。2022年8月に新築した家で生活を始めて1か月後、台風15号による豪雨に見舞われました。
<齊藤篤さん>
Q.この辺りは浸水していたんですか?
「そうですね」
Q.どのくらいの高さまで水が?
「見えると思うけど、このくらい(腰くらい)の高さまで…玄関の方もここら辺(ドアの下3分の1くらい)までですね」
2022年9月の台風15号では、降り続いた大雨によって静岡市清水区では広い範囲で川が氾濫。あちこちが水浸しとなり、床上浸水が3731棟、床下浸水が1019棟と大きな被害を受けました。齊藤さんの自宅から歩いてすぐのところにある齊藤さんの奥さんの実家も例外ではなく、近くを流れる庵原川からあふれた水が流れ込みました。
<齊藤敦子さん>
「びっくりしましたね。自分が今まで住んでいた家がこんなになっちゃうの」
なぜ、齊藤さんの自宅は被害がなかったのでしょうか。
<齊藤篤さん>
「うちは耐水害をしていて、このように1mほど上げてもらって、水害に耐えうる高さにしてもらって対策をしている」
Q.家電製品などは被害を受けなかった?
「被害を受けず、中も普通通り電気も使えるし、水道も全部使えるような感じだった。自分の家が大丈夫だったんで、他の家の(片付けの)手伝いに行っていた」
防災に対する意識が高かった齊藤さん。家を建てる場所が津波の浸水エリアだったことから、浜松市の住宅メーカーが開発した「耐水害住宅」を建てることにしました。
画面左側の一般的な住宅は水が窓の高さまでくると、室内に水が入ってきますが、右側の耐水害住宅は水が入ってきません。浸水を防ぐポイントとは…。
水が最初に侵入してくる床下の換気口。耐水害住宅の換気口には水槽のような箱があって、水位が上がると蓋が浮き上がり、床下に水が入るのを防ぎます。気になる玄関ドアには浸水を防ぐ専用のパッキンを取り付けたほか、窓ガラスには水圧に耐えられる強化ガラスを使用。あらゆる隙間を防ぎ、強度をアップしています。
<齊藤篤さん>
Q.家の中には水は?
「一滴も入っていないです」
<齊藤敦子さん>
「最初に家を建てる時に、こういう耐水害という形で家を建てて本当に良かったなとつくづく思った」
また、排水管には逆流した汚水をせきとめる弁をつけるなど、耐水害住宅には、あらゆる場所に浸水を防ぐ仕組みが取り入れられています。
<一条工務店 飯田和男さん>
「齊藤さんはハザードマップを見たりして土地を買う前から耐水の重要性に気づいていた」
予測のできない自然災害だからこそ、将来を考えて事前に対策していく必要があります。防災に関心を持つことが結果的に自らと家族の安全を守ることにつながります。
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