次のバフェット銘柄は?企業力を買う=企業の成長にお金を託す

――バフェット氏が次に買いそうな銘柄は?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
日本の銘柄で言うと、大手の鉄道会社が筆頭候補と言ってもいいかもしれません。大手の通信会社も有力候補になるのだと思います。バフェット氏は自分が買う銘柄はまずその会社が何をやっているかわかりやすいことだと。何をやっているかよくわからないけれど儲かっているとか、株価が上がっているからという理由では買わないということです。

中身を理解できる会社、なおかつ、しっかりとキャッシュフローを生み出していることを条件として挙げているのです。バフェット氏ははっきりと言っていないのですが、参入障壁が高い、すなわち他の会社が真似したくても簡単には真似できないような会社を選ぶ傾向があるのではないかと思っています。

――鉄道、通信などは参入障壁がかなり高いですよね。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
免許も必要ですし、そもそもインフラを整えるのも大変ですから、簡単に真似できません。真似しづらいという意味では、私は日本の半導体関連も結構候補になるのではないかと思っています。特に半導体製造装置や半導体の検査装置は、日本は世界有数の技術を持っていて、他の会社が真似したくても到底真似できるようなものではないのです。

そういうところの株価はちょっと割高感もあるので、バフェット氏が買うかどうか微妙なのですが、先ほど売った銘柄として中国のEVメーカーや台湾の半導体メーカーなど決して割安ではない銘柄も持っていたことが実績としてありますので。

日本は政治的に比較的中立で米中の狭間に立たされていますが、政治リスクも相対的に小さいという意味で日本のこういった会社に目を付ける可能性はあるかなと思っています。

――バフェット効果はいつまで続くのか。そして、バブル期の最高値3万8915円を目指す展開はあるのでしょうか。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
さすがに今年、来年というのは無理があると思うのですが、2027年ぐらい、5年後にはこの最高値を超える可能性は十分に出てきたと思っています。この4月から6月のような上昇ペースがこの先も一本調子で続くとはちょっと考えにくいので、もう少し先という意味なのですが、日本株の平均的な上昇率は大体5%ぐらいが想定できるのです。そこから逆算すると、2027年ぐらいに史上最高値3万8915円を超えるという計算になります。

――最後に井手さんから相場の格言を教えていただきます。

「長期投資は株価より企業力を買え」。成長力のある会社に長期にわたって投資することが成功のカギですよと。まさにバフェットさんの投資スタイルですね。株価は乱高下します。企業価値というのはゆっくり改善していくわけです。企業力を買うというのは長い時間かけて企業が成長していく、ここに自分のお金を託していくということです。

バフェット氏も言っているように理想は永遠だと。手っ取り早く儲けるのではなく、なにせ老後のためですから、老後まで時間がある人は本当に時間をかけてゆっくり自分の資産を育てるのだという気持ちで投資をしていただくのが何より大事だと思います。