北陸電力は28日株主総会を開き、燃料価格の高騰に伴う過去最大の赤字に対応するため、企業の内部留保にあたる別途積立金全額700億円を取り崩す議案を可決しました。別途積立金の取り崩しは10年ぶりで、金額は過去最高です。株主からは電気料金の大幅な値上げや赤字に対し、経営責任を問う質問が相次ぎました。

富山市の北陸電力本店で午前10時から始まった株主総会には、去年より54人多い166人の株主が出席しました。

総会では、昨年度の決算で過去最大の最終赤字884億円を計上した財務状態を鑑み、別途積立金の全額700億円を取り崩す議案が会社側から提出されました。これは、別途積立金を繰越利益剰余金に振り替えて赤字補填を図るものです。

北陸電力ではこれまで、1980年にオイルショックによる収支悪化で33億円、2013年に志賀原発停止による火力燃料費の増加で100億円と別途積立金を取り崩しています。

3回目となる今回、取り崩す金額は過去最高で、全額を取り崩すのは初めてです。