クルーズ船は “日帰り客” 宿泊費が街に落ちない

【平】長崎が日本を代表する観光地であることは間違いありません。

長崎港におけるクルーズ船の寄港数の推移をみると、今年は6月20日時点で115隻が寄港する予定となっています。
これはピークであった2017年の4割強で、2019年比では6割強まで回復していて、今後、さらに増加すると見込まれます。

【住】中国からの入国者が増加するでしょうからね。
クルーズ船が入港すると、長崎の町も経済的に潤うことになるのでしょうね。
【平】そうですね。しかしクルーズ船からの旅行客は、いわゆる“日帰り客”だということに注意が必要です。

観光庁の今年1月から3月までをまとめた『訪日外国人消費動向調査』によりますと、訪日外国人が最も多く支出するものは、
 1 宿泊費
 2 買い物代
 3 飲食費 となっています。

ということは、クルーズ船が来るだけでは、支出の3~4割を占める“宿泊費”が街に落ちないことになるほか、2割強を占める“飲食費”のうち、夕食費用についても街に落ちないというのが実情です。

従って、こうした日帰りも大切ですが、“宿泊者”を増やすことが、長崎の観光消費の拡大のためのカギになるということです。