得意分野の “医療” で外国人にアピールを
【住】他に、県内の観光消費拡大のために考えられることはありますか?

【平】先ほどの観光庁の調査によりますと、中国からの観光客が支出する“娯楽等サービス費”の内訳を見ますと──
1 テーマパーク
2 マッサージ・医療費
3 温泉・温浴施設・エステ・リラクゼーション
3 スキー場リフト で、
“マッサージ・医療費”の割合が、意外と高いことが分かります。
長崎の得意分野である“医療分野”について、取り組んでいくという道もあると思います。

【住】“医療分野”というと具体的には?
【平】“人間ドック”や“美容整形”、そのほか日本でしか受けることが出来ない “専門的な手術” などのために来日してもらい、これらを観光と結びつけるということですね。

医療コーディネーターで、この分野に知見がある旅行会社JTBの担当者は「地理的にアジアに近い長崎は“医療観光(ツーリズム)”において優位性があり、それを打ち出す必要がある」としています。

JTBメディカル&ヘルスケア事業 松嶋 孝典さん:
「長崎県の医療機関において、外国人に選ばれるような強みをはっきりする必要があると思います。
“医療の技術”だけではなくて、“ロケーション” や “医療機関の設備”とか、何か一つ医療機関にとっての強みを見つけて、それらを組み合わせて海外に向かって発信していくことが必要になっていくと思います」
【平】訪日外国人向けに医療を提供する医療機関は 九州各県にあるのですが、来日した“同伴者”が利用できる宿泊施設や、楽しめる場所というのはまだまだ整備されていません。
これは『医療機関』という“点”のみであり、その周辺の施設を含む『医療ツーリズム』という“面”にまで広がっていないということです。

観光地として、そしてG7保険大臣会合の開催地として医療の分野でも知名度がある長崎ですから、これから官民一体となってこの分野に取り組んでいけば、他の都市よりも広がりを見せていくのではないかと考えます。
これも“カギ”の一つと言えるのではないでしょうか。
【住】これからの長崎のインバウンド復活には“宿泊” “空路” それに “医療” がカギになりそうですね。
【平】はい。今日はすべてをお伝えできなかったのですが、“カギ”はまだまだあります。
詳しい内容については、今月末発行の長崎経済研究所の「ながさき経済夏号」に掲載していますので、ご覧いただければと思います
【住】ウイークリーオピニオン、ここまで平家達史NBC論説委員とお伝えしました。