ロシアで起きた民間軍事会社『ワグネル』による反乱。プリゴジン氏がその後、所在不明になったという情報もありますが、ウクライナ現地の戦況にはどのような影響が出ているのでしょうか。
現地からの中継も交えて、解説です。
ロシアで何が?“ワグネルの反乱”

日比麻音子キャスター:
6月23日にSNSで「ワグネル」創設者のプリゴジン氏は「ロシアの国防省が、ワグネルの陣地をミサイル攻撃し、多くの戦闘員が死亡した。軍指導部の悪を阻止する、抵抗するものは破壊する」と投稿しました。ウクライナのバフムトからロシアに進軍します。
24日に、ロストフ州のロシア軍司令部などを占拠。それからモスクワへ移動します。24日にボロネジ州の軍事施設へ進軍となりましたが、緊急にプーチン大統領は演説を行い「裏切り者だ」と発言。ただプリゴジン氏は「我々は愛国者だ。大統領の呼びかけに応じて、投降するつもりはない」と抵抗を続ける姿勢を示していましたが、24日夜になって進軍を停止、撤退を表明しました。
ロストフ州辺りまで撤退していたとみられていますが、その後のプリゴジン氏の行方は、まだわかっていない状況です。
戦況への影響は?「ロ軍の指揮系統が麻痺」という指摘も

慶應義塾大学の廣瀬陽子教授は「直接戦況には影響しないとみられるが、ロシア国内の治安維持が、できていないことが露呈した。ロシア国民の不安が増し、さらなる混乱の可能性も」と指摘しています。
防衛省 防衛研究所の高橋杉雄さんは「『この2日間、ロシア軍の指揮系統が麻痺していた』ということで、“反転攻勢”でドニプロ川を突破されていれば、ロシア側は今後厳しい戦いになる可能性も」と指摘しています。