タイタニック号が沈む海底へと向かった潜水艇「タイタン」が行方不明になった事故。残骸が発見され、乗員5人の生存は絶望視される最悪の結末に。光も電波も届かない深海で捜索はどう行われた?米軍の探知システムに捉えられた“破裂音”と海底から見つかった“残骸”から見えてきた事故原因とは?そして、深海での水圧に耐えうる安全対策をめぐり「タイタン」に突きつけられていた懸念とは?手作りで解説します。・・・「手作り解説」でお伝えします。

今も関心が集まる「タイタニック号」

1912年に沈没した豪華客船タイタニック号は、70年以上たった1985年に海底で発見されました。そして、1998年ごろから、潜水して見ようというツアーが始まるなど話題となっています。船体は損傷が進み、2016年には、20年以内に崩壊する可能性があるという調査結果も出たため、かえって人気が高まっている側面もあるようです。

深海とは…

タイタニック号が眠る「深海」とは、どんなところなのでしょうか。レジャーで楽しむスキューバダイビングは一般的に水深30m程度まで。水深200メートルより深い部分を「深海」と呼び、海洋全体の95%を占めています。ヨーロッパで海の魔物「クラーケン」のもとになったともいわれる、ダイオウイカが生息しているとみられるのが水深650から900m。日本でも、まれに打ち上げられるリュウグウノツカイが生息している水深1000mになると完全な暗闇の世界となります。タイタニックが沈んでいるのは、「深層」部分の3800m。世界で一番深い場所はフィリピン沖のマリアナ海溝で、1万920mになります。