ロシアの情報機関FSB=連邦保安局は、民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏について武装蜂起を呼びかけたとして捜査を始めたと明らかにしました。

FSBは現地時間の23日深夜、民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏の発言と行動が武装蜂起の呼びかけにあたるとして、捜査を始めたと発表しました。

そして、ワグネルの戦闘員に向けて「プリゴジンの犯罪的・反逆的な命令を無視し、彼の身柄を拘束するよう求める」との声明を出しました。

これに先立ち、プリゴジン氏は23日、ウクライナ侵攻について「ロシア国防省がプーチン大統領をだまして始めた」と主張する動画をSNSに投稿していました。

さらに、夜になって「ロシア国防省がワグネルの陣地をミサイル攻撃し、多くの戦闘員が死亡した」とする音声メッセージを投稿。その後も「軍指導部の悪を阻止しなければならない、抵抗するものは破壊する」「これは軍事クーデターではない、正義の行進だ」などと立て続けに投稿していました。

一連の投稿について、ロシア国防省は「事実ではなく、挑発行為だ」と否定。ペスコフ大統領報道官は「プーチン大統領もプリゴジン氏の周辺で起きている事態を把握している」と述べています。

これまでショイグ国防相らを厳しく批判してきたプリゴジン氏は、保守派らから一定の支持を得てきましたが、政権としてこれ以上は看過できないと判断したものとみられます。