全国でトラブルが相次いでいるマイナンバーカードについて、政府は21日、個人情報のひも付けの「総点検」を決めました。しかし、宮城県内の自治体からはカード交付などの手続きに、点検作業も加わることから「さらに負担が重くなる」と不安の声があがっています。
大崎市役所です。マイナンバーカードの窓口には23日も多くの市民が申請や交付などの手続きに訪れ、職員が対応に追われていました。

職員と市民やりとり:
「カードのほう、お名前、ご住所、生年月日、ご確認お願いします」「はい、大丈夫です」

窓口には平日におよそ100人が手続きに訪れているといいます。日曜日にもおよそ150人が訪れていて、他の課の職員も協力し対応にあたっているといいます。
こうしたなか、大崎市では2020年度と昨年度に申請があった4人のカードに別人の写真を貼って交付するミスがありました。担当者が顔写真と申請書類のひも付けの処理を誤ったのが原因だといいます。
大崎市民生部 渋谷勝部長:
「マイナポイントを利用するということで、昨年度は特に申請件数が大幅に増えた。担当職員の負荷が高まってミスが起きやすい環境になっていた」

交付の手続きに訪れた市民は…。
市民:
「不安な部分はいまだに払拭はできないかな。一応ひと通り確認して間違わないようにと」
全国でトラブルが相次いでいることを受け政府は、カードの情報に誤りがないか「総点検」をすることを決めました。
岸田総理会見:
「私から、国民の不安を払拭するためコロナ対応並みの臨戦態勢で政府横断的に取り組むことを指示した」

「マイナポータル」で閲覧できる健康保険証や所得など29項目の個人情報のひも付けをすべて点検します。
しかし、大崎市はカードの手続き業務に加え、実際に点検を行うことになるため「さらに負担が重くなる」として、今後の対応に不安を募らせます。
大崎市民生部 渋谷勝部長:
「事務量的には通常でも今結構忙しい中でやっているので、負荷が強まるだろうなという風に思っている」

政府は、秋までに総点検を完了するとしています。
大崎市民生部 渋谷勝部長:
「市民に安心して使ってもらえる納得感が大事だと思っているので、自治体の責務としてできることをやっていきたい」
マイナンバーカードを巡るトラブルについて整理します。
・「マイナポイント」では別人のポイントが付与されるケースがありました。
・マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」では別人の情報がひも付られるケースやシステムの不具合で無保険者扱いされ、窓口で10割負担を求められる事例がありました。
・このほかにも預貯金の口座にひも付ける「公金受取口座」でも、別人の口座が登録されるなど各地でトラブルが確認されています。

大崎市には、まだ具体的な点検方法などの通知は届いていないということですが、政府は、総点検について8月末に中間報告し秋までに終えるとしています。














