家を借りるときや買うときに、セクシャリティーや国籍などを理由に断られてしまう“住宅弱者”と呼ばれる人たちがいます。“住宅弱者”の人たちは、誰もが自由に家探しができる環境をと訴えています。
都内で暮らすボコさんとゆきさんは性的マイノリティ、いわゆるLGBTのカップルです。4年前、この部屋を借りるときに不安を感じたと言います。
ボコさん
「ネットなどで男性同士というので見ると、断られることが多いと」
いま、2人はさらに新居を購入しようとしていますが、心配は尽きません。
ゆきさん
「同性カップルで特に何か、影響することとかないですか」
株式会社IRIS 須藤啓光さん
「ローンを組めるか組めないかという部分が大きいです。いわゆる男女間のご夫婦方が使えるような金融商品、住宅ローンよりやはり選択肢が少し限定的になってしまうので」
2人の相談にのる不動産会社を経営する須藤さんもLGBT当事者ですが、不動産会社や大家が“偏った先入観”をもっていることも多いといいます。
株式会社IRIS 須藤啓光さん
「男性同士となってくると、何かバイアスがかかっている。部屋を汚く使うんじゃないか、壊すんじゃないか、うるさいんじゃないか。でもこれは本来、別に同性同士だろうが男女間であろうが関係ない」
家を借りるときや買うときに年齢や国籍、セクシュアリティーなどを理由に断られたり、理不尽な対応をされてしまう人たちは“住宅弱者”と呼ばれています。
不動産紹介サイトを運営する「LIFULL」が行った調査では全国から1300件以上、“住宅弱者”の声が寄せられたといいます。
ある女性は高齢というだけで…
60代以上高齢女性
「こちらの詳しい内容を聞くまでもなく、年齢で審査が通らないので物件をあきらめるよう勧められた」
外国人というだけでも…
30代在日外国人女性
「外国籍のため、大家さんに断られたことがあります。日本人の緊急連絡先が必要で、無いと必ず断られます」
調査によると不動産会社に、来店や対応を断られた経験がある人の割合が“住宅弱者”では一般の人のおよそ10倍にのぼったといいます。
こうしたことから「LIFULL」では住宅弱者も受け入れてくれる不動産会社を集めたサイト「FRIENDLY DOOR」を立ち上げました。
住株式会社LIFULL 龔軼群さん
「住まいって人の生活の根幹なので、それが選べないのはおかしい」
LGBTカップルのボコさんとゆきさんが相談している須藤さんの会社も「FRIENDLY DOOR」に登録されています。
株式会社IRIS 須藤啓光さん
「外国籍、障がい者、高齢者、誰だって一緒なんですよ。僕はお客様たちに真摯に向き合ったとき、何をするべきだっけと」
誰もが偏見なく家探しができるようになるのでしょうか?
ボコさん
「自分たちが活動するときに、やっぱりLGBTフレンドリーな会社じゃないと(自分たちのことを)伝えられないと、まだ社会的にちょっと不安がある」
株式会社IRIS 須藤啓光さん
「首都圏はだいぶ選択肢が増えてきている一方、地方はまだ取り組みと理解が進んでいない。みんながフラットにお部屋探しができる社会になってと」
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