「次は私たちがどう行動するか」語り継ぎは戦争を体験していない世代へ 

若梅会会長 いのうえちずさん
「戦前の卒業アルバムですね、何年になるんだろう」

きくさんから思いを託された一人。白梅学徒隊の体験を語り継ぐ『若梅会』会長、いのうえちずさん。きくさんが残した膨大な資料を引き継ぎ、学徒の体験を語る証言活動に役立てようと整理を進めています。

若梅会会長 いのうえちずさん
「メモですね、誰がどんな用件で来たみたいなことがずっと書かれていますね。すごくこういうメモのとり方とかファイルの仕方とかに、元学校の先生という丁寧な仕事ぶりがすごく伝わる」

残された資料にはきくさんのこれまでの活動記録や、今と変わらない青春をおくる戦前の学生達の姿が残されています。

若梅会会長 いのうえちずさん
「大事なものを受け取っちゃったんだという思いでいますね。思っているだけでは平和は来ないという話をよくされていて『思っているだけではだめなのよ、行動しなさい』といつも言っていたので、それは肝に銘じて。私達なりにできる形で行動していきたいと思っている」

そして更に下の世代が動きを見せています。白梅学徒隊について説明する高校生。沖縄尚学・地域研究部の生徒達です―

地域研究部では、戦争の記憶を継承しようと20年前から白梅学徒隊の『後輩』として学徒たちの足跡を辿るガイドを続けています。

「この辺りに仮設小屋があり 助からない人たちがいたと 昔きくさんがいっていた」

コロナ禍もあり元学徒たちと交流を持てなかった後輩たちのため、きくさんから直接その体験を聞いた卒業生がガイドに参加。

先輩から後輩へ白梅学徒隊の歩んだ歴史と学徒たちの思いが伝えられています。

沖縄尚学高校 地域研究部 玉城美柚さん
「ウクライナで起こっている戦争、そして戦争体験者の方々がどんどん減少している現状をみると、次は私たちがどう行動するかが未来の平和に深くつながる時代になってきていると私は思います」

きくさんの平和のバトンは、戦争を知らない次の世代に確かにつながっています。