闇バイトを身近に感じる学生も…

話を聞いた学生のほとんどは、聞いたことはあるが、詳しくは知らないと話していました。なかには、闇バイトを身近に感じている人もいました。

別の大学生
「高校卒業して、同級生でそっち側の方にはしってしまったみたいなうわさをちょっと聞いたりしてたんですよね、なのでその辺の話題がありました。完全なうわさですよ、本当に」

もし高額報酬の募集を目にしたら、と聞くと・・・

別の大学生
「あ~、友達がやってたらやっちゃうかもしれないですね。悪いものって知らなかったらやるかもしれないです」
記者
「詐欺だと気づいたらどうしますか?」
大学生
「え~、それは、すぐやめられるんだったらやめたいですけど、そういうのってたぶん、すぐやめれたりしなさそうですよね・・・」

「抜けられない」闇バイトの恐ろしさ

山口県警察本部で犯罪防止対策を行う藤原次長は「1度関わったら抜け出せなくなる」と警告します。

県警察本部生活安全企画課・藤原英明次長
「これは犯罪だということで、そこから抜けたいと思っても、なかなか抜けさせてもらえないという実態があります。自分の家族とか、あるいは恋人に危害が及ぶと脅される」

去年11月、岩国市の住宅で発生した強盗未遂事件。実行役の男はテレビ山口の面会に応じ、「高額報酬」にひかれて犯罪に加わったことを打ち明けました。

実行役とされる男
「ギャンブルや友人関係のトラブルにより、借金を抱えて、SNSで仕事を探していました。その中で仕事内容の記載がない『日当100万円以上』の記載にひかれ、応募しました」

「高額報酬」「資格不要」甘い誘いは危険

藤原次長
「犯罪に加担させられてしまうということですので、安易に高額報酬とかですね、別に資格もいらないとか、そういった甘い話にのらないということが一番大事だと思います」

実行役の男は、仕事の内容は知らされないまま、秘匿性の高い通信アプリで連絡をとるよう求められました。

実行役とされる男
「SNSで、仕事内容を聞いたが、教えてもらえず、テレグラムでやりとりするよう誘導された」

なじみのないアプリ、SNSに要注意

藤原次長
「ふだん使っていないようなアプリやSNSを使ってやりとりというような特徴があるので、もしそうなったら、闇バイトを疑ってほしいと思います」

男は、何者かに指示されるまま、犯行に及びましたが、すぐに逮捕されました。男は裁判で、当時の心境を振り返りました。

実行役とされる男
「金銭的な焦りもあり、頼まれた仕事をやらなきゃという気持ちが強かった。自分の弱さが原因だと思う」

男には、懲役2年6か月の実刑判決が言い渡されました。この事件では、フィリピンから犯行を指示していたとみられています。しかしこういった犯罪の多くでは、指示役に捜査が及ばないのが実情です。