全国的なアサリの激減で最近は潮干狩り禁止の海岸が増えています。こうした中、いま各地でアサリ再生に向けた取り組みが広がっています。

「潮干狩りしたことない」

大分県臼杵市を流れる川の干潟で19日、県立海洋科学高校の生徒たちが黙々と砂利を網状の袋の中に詰めていました。実はこの作業、砂利の中に含まれるアサリの稚貝を保護しているんです。この「アサリ復活プロジェクト」は県や市、高校などが共同で今年から本格的に始動しました。

(生徒)「身が入っていないやつが結構見受けられる、少ないなとは感じる」「まだ潮干狩りをしたことがないのでやってみたい」

今から40年前の1984年、臼杵市の干潟では多くの家族連れが潮干狩りに訪れ、かつては春から初夏にかけての定番のレジャーでした。ところが今では潮干狩りは禁止され、こうした光景は見られなくなりました。

(県中部振興局・横山純一さん)「昔は潮干狩りができるほどアサリがいたが、2012年から資源の減少に伴って中止となっている状況」

農林水産省の統計によりますと、臼杵市におけるアサリの漁獲量は1984年の53トンをピークに年々減少。1995年以降はほとんど獲れない状況が続いています。

同じ状況は大分県内の他の干潟でも。杵築市の守江湾も潮干狩りの名所でしたが、アサリの激減で2015年から原則禁止となっています。その原因について、市の担当者は「食害」を指摘します。