高知市の書店でハードボイルド文学の小説家、北方謙三さんを招いたトークイベントが行われました。

TSUTAYA中万々店で17日行われた対談形式のトークイベント。登壇したのは23年に渡って直木賞の選考委員を務めたハードボイルド文学の小説家、北方謙三さんと、店のPOPなどを担当する名物書店員、山中由貴さんです。

このイベントは、作家として本屋を盛り上げたいという北方さんの思いから企画されました。全国6店舗のTSUTAYAで行われた、北方さんの作品をイメージしたレイアウト審査会で、TSUTAYA中万々店が最優秀賞に輝き、実現しました。

トークイベントにはおよそ50人が参加。北方さんのキレのあるトークにのめり込んでいました。

(小説家 北方健三さん)
「小説というのは、味方がいて、敵がいて、なんでもない人たちがいる。そうすると味方が強い、勝てばいいと読者は思う。その味方が勝てない敵がいる。素晴らしい敵がいる。そうすると味方も素晴らしくなる。そうやって人間は盛り上がる。エンターテイメントの小説というのは」

共に登壇した山中さん、実は、北方さんの熱烈なファン。山中さんは20年ほど前、北方さんの作品に対する感想をノートに残していました。

(山中由貴さん)
「20代半ばのときに北方先生の作品を読んだのを読書ノートに感想をつづった。昔のノートを掘り出すしかない」

そのノートは中万々店のレイアウトの中でも展示されていて、北方さんの目にふれることに。北方さんは山中さんの思いの強さに心を打たれたといいます。

(小説家 北方謙三さん)
「あのノート感動しました。みなさんご覧になったでしょう?ページをめくった瞬間に恥ずかしいというか照れくさくって。じっと見られない」

書店員とのつながりでトークイベントに参加した北方さん。たくさんの人に、本を読むことの大切さを知ってもらいたいと話します。

(小説家 北方謙三さん)
本は人間にとって、心にとって大事なもの。食べ物とは全く違う大事さがある。本を読むってことがどれだけ人生にとって大切なことか、私はこの年になってやっとわかってきたことがある。それを若い人に伝えていきたい」

イベントの終了後北方さんは、金高堂書店本店で、自身の書籍にサインをしました。サイン入りの書籍は、県内の金高堂全店舗で販売されています。