こうした状況に、ロシア政治の専門家・中村逸郎教授は、「実際に、ロシアがウクライナに核攻撃を行うのではないかという懸念が高まってきている」と指摘しています。

筑波大学 中村逸郎 名誉教授
「脅威とするだけだったら、別にベラルーシに配備する必要はないんです。自国のウクライナとロシアの国境に置いておけばいい話なんです。それがわざわざベラルーシに置くということ、これは単に脅威としてではなく、実際に使用する危険性も実はあるということなんです」

ベラルーシは、ウクライナの国境キーウに近い場所で、仮にベラルーシから核攻撃が行われた場合、ウクライナとロシアとの国境に配備された場合と比べて、迎撃の難易度が高いと言います。

また中村教授は、戦争が長期化する中で、戦争の構造が変わってきていると話します。

筑波大学 中村逸郎 名誉教授
「この戦争、ロシアがウクライナに仕掛けた戦争なんですが、ベラルーシを巻き込んでいる。そして、先週のプーチン大統領の発言によると「このまま戦争が長続きするならば、NATO諸国に対して、ロシアがミサイルを攻撃する可能性もある」ということを言いました。ですからこの戦争はロシアとウクライナから、ベラルーシを巻き込み、そしてNATO諸国も巻き込んだ第三次世界大戦にまでエスカレートしていく危険性が現れてきたというわけなんです」