私は、今ももがき苦しんでいるであろう孤独に戦う当事者、チックのある子供たち、そして当事者を支える家族、トゥレット症・チック症で悩む全ての方に同様の思いをしてほしくない、自分の経験が誰かの役に少しでもなったらとトゥレット当事者会を立ち上げました。
トゥレット当事者会の目的は、当事者・家族のQOLの向上、そして当事者の自立支援です。
自立というのは、単に働いて収入を得るということだけではありません。トゥレット症であってもそれを障害とせず、当事者が望む人生を生きるためにチャレンジすることができる、人生に夢や希望、生きる意味を持つということです。
そのために先ずは、社会にトゥレット症を認知していただくこと、そして少しでも理解していただくことが必要です。
しかし、社会を変化させることは当然簡単ではありません。私達当事者も変わる必要があるかもしれません。

一人一人が身近な人にチックを説明することができたとしたらどうでしょう、きっとどんなメディアよりも持続する大きな力になると私は思います。
もちろん全ての方ができるとは限りません、個々に様々な事情を抱えておられると思います。
自立支援と言っても決して簡単なことではありません、私自身何十年もの年月を費やし、『トゥレット当事者会』という私の人生の意味を見つけました。
現在私は、より多くの方を支援するため大学で学んでいます。そして、トゥレット症の研究が進んでいる海外専門機関での講習を受け支援活動を行っています。
アメリカではトゥレット症に対して次のような言葉があります。
「I have tourette's but tourette's dosen't have me.」
私はこれを以下のように解釈しています。
「私はトゥレット症を患っていますが、トゥレット症に支配されてはいません。仮にコントロールの難しいチックがあったとしても、トゥレット症は私の全てではなくあくまでも一部、人生までをトゥレット症に支配される訳ではない。」
トゥレット症であっても私達はできる、自信を持って人生を歩んでいただきたい。
全てのトゥレット症・チック症当事者が輝ける社会を目指して…
トゥレット当事者会代表 谷 謙太朗
