今回は、ロシア軍による軍事侵攻の続くウクライナの戦禍を逃れ、遠く⽇本の地まで避難してきたウクライナの⼥性たちが働く「スマチノーゴ」というレストランをご紹介します。

店の名は「スマチノーゴ=美味しい」

今、ウクライナの成人男性は戒厳令のため出国できないため、日本に避難して来た女性達がこのレストランで働いています。お店は東京都港区、虎ノ門駅から徒歩3分、新橋駅から徒歩7分の西新橋にあります。

近隣県の日本政府の提供施設で暮らす方々がシフト制で働いてレストランの接客や調理をしています。お店の名前の「スマチノーゴ」とは、ウクライナの言葉で“美味しい”という意味。日本人の口に合うようにアレンジされたウクライナ料理を提供してくれます。

とても明るい店内に、スタッフの「いらっしゃいませ」の声が響いて楽しい空間

去年9⽉にこのスマチノーゴをオープンしたのは日本人のTAKANE(タカネ)さんという女性です。はじめに、開店のいきさつや、お店の役割についてお話を聞きました。

『スマチノーゴ』オーナー TAKANEさん
「今回は、実際に避難民が珍しいことですけれど、日本に来ているわけじゃないですか。同じ街に、私と同じような女性が。特に精神的なダメージを受けていると思ったので、何か直接にリアルに接して、何かしてあげられないかなと思って始めました。やっぱりしんどい思いを解放させてあげる場所を作りたいと思ったので、明るくアットホームな感じで皆も働いてもらい、あとお客さんも共有して、ちょっと気持ちが安らげる場所みたいにしたいなというコンセプトで、ざっくばらんに楽しくやりたいと思ってます。全員が避難民ですから、仲間がいて情報共有できているのが楽しく、同僚同士でファミリーな関係を築けているのがやっぱり嬉しいみたいです」

こうして、避難民同志の交流の場にもなっているスマチノーゴ。取材で伺った時は、4人ほどの避難民の方が働いていて、厨房でランチタイムのプレート料理の盛り付けをしたり、ピロシキの生地をこねる調理を担当する人、あとはお客さんに接客して料理の説明をする役割などを分担していきいきと仕事をしていました。