防衛費増額の財源を確保するための法案をめぐり、“増税ありき”として国会では与野党が激突しています。

防衛費43兆円を確保するために

政府が、今後5年間で43兆円程度としている防衛費。

その一部を確保するための「防衛財源確保法案」をめぐる与野党の攻防が激しさを増しています。

防衛費について、政府は「防衛力強化資金」や増税、歳出改革などで確保する方針です。
「強化資金」創設を柱とする今回の法案が成立すれば、国有財産を売ったお金などを貯めておき、防衛費に充てることができるようになります

一方、増税の部分について政府は…

岸田総理(6月8日)
「防衛力強化のための税制措置については、復興特別所得税の税率を引き下げたうえで、その下げた範囲内で、新たな付加税をお願いする

所得税に上乗せされている東日本大震災の復興特別所得税の一部を、防衛目的の新たな税として“転用”することなどを検討。
復興財源を確保するため課税期間を延長するとしています。

▼これまで → 復興特別所得税 2.1%(課税期間2037年まで)

▼検討案 → 復興特別所得税 1.1% ※1%を新たな税として転用(課税期間を延長)

野党側の要求を受け、6月12日、参議院は福島市で地方公聴会を開催しました。

陸前高田市でワイナリー経営 及川恭平さん
「復興税を国防の財源として使っていくのは少々違うのかなと」

いわき市民訴訟原告団 伊東達也 団長
「(課税期間が)13年間延長されることは3.11後に生まれた人々も負担を強いられることになります。私はやってはならないことだと思います」

街の人は…

会社員(30代)
「給料も上がらない中、物価高なので、そこ(防衛費)に財源を結構持っていかれるのはどうなのかな」

自営業(40代)
「防衛費を増やすことは、間違いなく必要だと思うんですよね。もっと堂々と(増税)した方が共感を得られるんじゃないかな」

防衛財源確保法案について、政府・与党は、6月21日の会期末までに成立させたい考えですが、野党側は“増税ありきだ”として徹底抗戦する構えです。