高知県が津野町の天狗高原に整備した遊歩道をめぐり、地元の住民団体が「希少な植物の自生地が破壊された」などとして遊歩道の撤去などを求めている問題で、12日に初めての対策検討委員会が開かれました。委員からは「ここまでやる必要があったのか」などと厳しい意見が相次ぎました。
県が去年整備した天狗高原の遊歩道をめぐっては、地元の住民団体「天狗高原観光の発展を願う津野町民有志の会」が、希少な植物の自生地が破壊されたり、景観が損われたりしたとして今年3月に遊歩道の撤去などを求める要望書を知事に提出しています。これを受け、県は有識者らで組織する対策検討委員会を今月2日に設置。12日、初めての会合を前に、委員らが現地を視察しました。
(県の担当者)
「以前あった道が自然な形の遊歩道。かなり違った形で整備させてもらった」
(有志の会代表)
「必死で守ってきたという自負がある。そんな中で今回、はっきり言うと絶対やってはいけないことを今回やってしまった」
(委員長)
「守ってきた人の立場ではそういう意見の意見が出ると思う。一方で景観楽しみたい、バリアフリーも必要という考え、そこでお互いにどこまで譲り合うのかどこで手を打つのかという話になってくる」
(有志の会代表)
「いままであった石灰岩、これを平気で重機でやったりしている。そういうのをぜひ見ていただきたい」
(委員長)
「そういうのもきちっと明らかにしていく必要がある、包み隠さず」
この後開かれた検討会では高知大学名誉教授の石川慎吾(いしかわ・しんご)委員長が「将来の世代にわたり自然資源を残していくということを念頭に議論していくべき」と話しました。県は、遊歩道の一部にバリアフリーの視点を取り入れたこと、また、多くの人に長い時間滞在してもらえるよう、長距離走行に適した電動アシスト自転車=Eーバイクが走れるように整備したことなどを説明。委員からは「そもそも自然公園にどこまでのバリアフリー化が求められるのか」「観光誘致を行う立場にあるが今回の工事はやりすぎだ」などと厳しい意見が相次ぎました。
(津野町商工会会長 谷脇幸秀 委員)
「1年2年ではたぶん戻りませんよね、絶対に。スパン自体はもっとかかりますよね。作ってしまったものをどうしてどう活用していくか、どうやって自然に元に戻していくのっていうことを早く議論していかないと、やってしまったものを今後私たち地元のものにとってどういうふうな生かし方ができるのか、僕は非常に不安要素のひとつです」
(牧野記念財団主任研究員 前田綾子 委員)
「ガイドされてる方がなくなったって仰ってることの証拠を出すのはなかなか難しい、写真とか残ってない。きちんともし調査をしていたらここからこの範囲なのでここはよけましょうということができたが、道があるから道つけていいだろうというところで簡単に考えられてやられてる。ほかのところでも同じようなことが起こるんじゃないか」
(高知大学名誉教授 石川慎吾 委員長)
「昔(希少植物が)あったところに道ができたわけですから非常に大きい影響はあります。どこまでだったら自然を改変して壊してもいいのか、未来の我々の子孫に大事な自然を残せるのか、というところを議論していく」
県は8月までに次回の検討会を開く方針です。














