いま、台湾では、ウクライナ侵攻と同じように「台湾有事の際にアメリカが派兵しないのでは」という懸念が広がっているといいます。

アメリカが続ける対話外交の成果は? 専門家は「目標が全く相容れない」と指摘

しかし、当のアメリカも手をこまねいている訳ではありません。

シンガポールで開かれた会議の場で、オースティン国防長官は、実現こそしませんでしたが、中国の国防相との会談を要望。

また5月には、サリバン大統領補佐官が中国の外交トップ・王毅政治局員とウィーンで会談したり、CIA長官が秘密裏に中国を訪問。

さらに、ブリンケン国務長官が、6月18日に訪中し、習主席と会談する可能性があるとも報じられています。

依然として埋まらない両者の溝。この状況を専門家は…

小原凡司氏(笹川平和財団 上席フェロー)
「アメリカと中国が求めている目標が全く相容れない。中国が求めているのは台湾統一。目的達成のためにはどのような手段でも使うというスタンス。そうするとアメリカと中国の間でなかなか合意を得るのが難しい。(米中の)意思の疎通がはかれない現段階で、なかなか落としどころが見つからない」

台湾有事のきな臭い空気が消えない中、台湾の若者は、中国の軍事侵攻について、

王さん
「いくら『侵攻しない』と言っても信じられません。(戦争は)ある日突然やってくると思います」

(「サンデーモーニング」2023年6月11日放送より)