約4時間にわたって園児に給食を食べるよう強要するなど、不適切な保育があった三重県桑名市の認定こども園に対し、県と市が特別監査に入りました。

特別監査が行われたのは、三重県桑名市にある私立・長寿認定こども園。9日午前、県や市の職員が監査に入りました。このこども園で明らかになった数々の不適切保育。

(録音された音声)
「パンツやなくておむつや恥ずかし~」
「はやく食べてお片付けしてたらこんなことにならなかったでしょ」

このやりとりがあったのはことし2月。給食を食べ切れなかった園児に対し、保育士が約4時間にわたり食べるよう指導を続けた結果、園児はトイレに行けず失禁してしまいました。その後も…
(録音された音声)
「すっぽんぽんやー恥ずかし~。おちんちん丸見えや赤ちゃんみたい。先生が泣きたいわ、えーん」
この音声は、別の園児の母親が3歳の娘の様子がおかしいため、荷物の中にボイスレコーダーを入れ録音したものです。

(母親)
「ことし2月当初は保育園に行く準備をすると、自分の髪の毛を思い切りひぱって抜く動作をしていた。園に行くのがストレスだったのかな」
また、保護者が園の関係者ら約100人に行ったアンケートでは、「子どもが先生にハサミで小突かれて、痛かったし怖かったと話していた」「うんちをすると『汚い』『くさい』と怒られているのを見て、保育園でうんちができなくなった」といった回答がありました。

数々の「不適切保育」が浮かび上がる中、桑名市は5月に「決まった時間にしかトイレに行かせない」など、こども園で6つの不適切な保育が確認されたとする調査結果を三重県に提出しています。
9日の特別監査は午後3時すぎまで行われ、県と市が当時の園長や現在の園長、それに運営元の社会福祉法人の関係者らに聞き取りを行いました。

(三重県の担当者)
「内容からみて、1日では完結できない事案と考えていた。今後とも監査は続けていきたい」

県の担当者はこのように話した上で、今後は市が確認した6つの不適切保育以外にも同様の事案がなかったかも含め、複数回にわたり特別監査を実施していく考えを示しました。早ければ今月中をめどに改善すべき項目などをまとめ、園に対し指導を行う方針です。