中国の全国統一大学入試「高考(ガオカオ)」が、きょうから始まりました。厳しい学歴社会とされる中国ですが、いま若者の失業率はおよそ2割と悪化していて、受験生にとってもプレッシャーとなっています。
記者
「北京の高考の試験会場前です。受験生たちが会場に向かって入っていきます」
きょうから始まった、中国の全国統一大学入試「高考」。受験者数は年々増えていて、今年は過去最多のおよそ1290万人となりました。ゼロコロナ政策終了後、初の実施です。
受験生
「試験場の中は息苦しいから(マスクを)外しました」
「(人生の)分かれ道です。今回の高考を通じて、理想の学校に行きたい」
地方では受験生を会場に送り出すイベントが行われ、コロナ前のような盛り上がりになりました。また、各地の会場には赤いチャイナドレスを着た母親たちの姿も目立ちます。
保護者
「(Q.なぜチャイナドレス?)子どもが良い成績を取ってほしい」
赤いチャイナドレスは中国で勝負の際、幸運をもたらすとされているのです。中にはチャイナドレスを着る父親まで。
なぜここまで真剣になるかというと…
保護者
「(就職の際に)今の中国は競争が過熱しているので、学歴に対する要求がますます高くなっている」
実は今、中国では長引いたゼロコロナ政策により経済が低迷し、若者の就職状況が悪化し続けているのです。
記者
「北京で行われている就活イベントです。会場には多くの就活生が集まってきています」
こちらは4月に行われた日系企業による合同就職面接会。日中関係が冷え込む中でも、多くの学生が集まりました。
就活生
「コロナの影響で就職が難しいです。去年秋も就活しましたが、そのときに難しさが分かりました。企業の求人は、かなり少なくなったと感じます」
4月の都市部の16歳から24歳までの失業率は20.4%にも上るなど、就活生は苦境が続いています。
イベントの主催者は、若者の就職難の改善にはまだ時間がかかるとみます。
PERSOLKELLY中国 首席コンサルタント 渡辺将法さん
「(中国の企業は)経済状況もそんなに良くない中で、ここ1、2年くらいは様子見かなと感じている」
記者
「午前中の試験を終えて、受験生たちが出てきました。周りの保護者から拍手が上がっています」
受験生
「全体の(就職)環境はあまり良くない。就職はハードルが高いですが、自分の努力次第です」
なんとか良い大学に入り、将来は希望の職に就きたい。若者の就職難は「高考」受験生にも大きなプレッシャーとなりつつあるようです。
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