農業や夏場の水不足の際などに役立つ「ため池」ですが、今の出水期は大雨などによる決壊への備えも必要です。

全国的にみると、香川・岡山はため池の数が多い地域です。

そんな中、岡山県は大雨によるため池の被害を防ごうと、ため池の水をホースで抜く研修会を行いました。

ため池から毎分約0.5トンの水が排水されていきます。

県や各市町村の担当者らが参加した研修会は、大雨でため池の水位が急に上昇した場合にホースを使い「サイホンの原理」を用いて池の水位を下げる方法を学ぶものです。

サイホンの原理は、水位差を利用するもので、池と、池よりも水位の低い場所をホースで繋ぎ、中の空気をなくすことで、電気などの動力がなくても水を流すことができるものです。

この簡易排水装置は
・人力で運搬できる
・故障が少ない
などのメリットがあり、岡山県は大雨災害への備えとして、各市町村に普及を図りたい考えです。

(岡山県耕地課 谷野吉春 総括副参事)「ため池の改修や廃止、今回のような安全研修を開催して、安全安心なため池の対策に努めていきたい」

岡山県では、このほか県内2か所のため池でサイホンの実演研修会を行う予定です。