新潟市の拉致被害者、横田めぐみさんの父・滋さんが亡くなり、5日で3年です。母・早紀江さんも87歳と高齢になる中、拉致問題の解決に向けたフォーラムで登壇した蓮池薫さんは、「揺らがずに被害者の救出を求めていくべきだ」と力を込めました。
拉致問題の解決に向け柏崎市で開かれたフォーラムには、拉致被害者の蓮池薫さんや柏崎市の桜井雅浩市長らが出席しました。

【蓮池薫さん(65)】
「拉致問題を最後まで諦めずに解決するためには何が必要か。我々は“真実”に妥協してはいけない。彼ら(北朝鮮)が隠している拉致被害者の生存情報を、あらゆる手段を動員して見つけ、それを北朝鮮との交渉の場で突き付ける」

フォーラムは蓮池さんの母校である中央大学の同窓会が主催し、蓮池薫さんも企画から携わりました。

【蓮池薫さん(65)】
「『日本は(拉致問題を)忘れていないぞ』『色々な所で多くの人が集まり、声を上げているぞ』と示すことが、北朝鮮が諦められないようにするために一番の今、我々ができること」

会場には蓮池さんの兄・透さんや今年96歳となる父の秀量さん、そして特定失踪者・大澤孝司さんの兄、昭一さんの姿もありました。

【特定失踪者・大澤孝司さんの兄・昭一さん(87)】
「弟も、まもなく77歳です。せめて80歳まで弟に頑張ってもらえれば、その間に何とかして政府から連れて帰って来てもらいたい」

拉致被害者と家族は高齢となり、横田めぐみさんの救出を訴え、闘い続けてきた父の滋さんは、3年前のきょう87歳で亡くなりました。滋さんと同じ歳になった母・早紀江さんも先日、自宅で倒れて入院し、その後も治療を続けているそうです。

【蓮池薫さん】
「(横田滋さんが)亡くなってもう3年。この3年という重み。3年が4年になって、また5年になったと、一つの通過点でしかないような考え方はぜひ捨てていただきたい。もう一日もないんだという思いで、(政府には)もっと実質的に動いていただきたい」

【訪れた人(19)】
「自分たちができることはとても小さいことだとは思うんですけど、このこと(拉致問題)を忘れないということが大事だと思うので、広めていくことを自分たちは一つの役割だと思っている」

「被害者の救出を求める姿勢を揺るがせてはならない」と訴える蓮池さんの声に、多くの人たちが耳を傾けていました。