東京タワーと同じ規模の橋がスライド移動

実際に橋を動かす様子です。神奈川県側のカメラから撮りました。
画面の右側が新しく作られた橋です。5月28日に古い橋を2時間かけて移動させ、その翌日に重さ約4000トンの新しい橋を4時間かけて架けました。この架け替えのために通行止めとなった期間はわずか2週間。6月10日に通行止めは解除される予定です。工事の予算は437億円に上ります。

措置が必要な橋やトンネルは全国に

こうした修繕などの措置が必要とされる全国の橋やトンネルは、国交省によると、2022年3月末の時点で、合わせて6万5000件に上ります。しかし、橋については58%が未着手だといいます。

高速道路の無料化も事実上の棚上げ

老朽化の問題は高速道路の無料化にも影響を与えています。2005年に民営化した際に、2050年に無料化するとしていましたが、2012年の中央自動車道の笹子トンネル事故で、老朽化問題が発覚。改修費を捻出するために、有料期間は65年まで延長されました。そして5月31日、さらに増えた改修費などを確保するため、有料期間を50年延長し、2115年までとする法改正が成立しました。インフラの老朽化が社会に大きな影を落としています。

(「サンデーモーニング」2023年6月4日放送より)