保育園で子どもがリンゴを食べた後に体調が急変し、病院に搬送される事態が相次いでいます。離乳食の注意点について専門家に聞きました。

“おやつのリンゴ”で窒息後に死亡 専門家「加熱してドロドロの状態で与えて」

井上貴博キャスター:
まずは2つの事例を見ていきます。

鹿児島・姶良市の保育園
●4月18日、当時、生後6か月の女児がおやつのリンゴを食べた後に、容態が急変
→保育士が気づき背中をたたき、鼻からリンゴが出るも救急搬送。「窒息」と診断
→1か月以上意識不明に
●5月28日に亡くなりました。姶良市は、検証委員会を立ち上げるに至っています。

愛媛・新居浜市の保育園
●5月16日、当時、生後8か月の男児が離乳食のリンゴを口にした後、一時心肺停止に
●口にしたリンゴは▼長さ7ミリ、▼厚さ3ミリほど、▼刻んだリンゴ2切れ
→5月31日時点で、意識不明の重体

こういった事例がある中で、子どもの窒息についての調査があります。食べ物で窒息し、亡くなった方の人数です。
▼0歳 26人
▼1歳 18人
▼2歳 15人
▼3歳 5人
▼4歳 5人
▼5~14歳 11人
※出典:消費者庁 調査:2014年~2019年

想像できることですけれども、子どもは大人に比べて気管と食道が特に詰まりやすいと言われますが、まだ発育過程にありますので、ものが詰まりやすいというわけです。

NPO法人 Safe Kids Japan 山中龍宏 理事長
「幼児の気管の太さは、小指ほど(4~5mm)。噛む力、飲み込む機能が発達していないため詰まりやすい」

内閣府が出している事故防止ガイドラインによると…
▼離乳開始前⇒液状の物
▼5~6か月⇒なめらかにすりつぶした状態
▼7~8か月⇒舌でつぶせる固さ
▼9~11か月⇒歯茎でつぶせる固さ

さらに内閣府のガイドラインによると、リンゴについて、細かくなったとしても固さ・切り方によっては、詰まりやすい食材と明記されています。離乳食期は加熱して提供するようにしてください。加熱していれば、固さ、切り方によってまちまちのものが出てこない、やはり加熱することがいいでしょう、というふうに書かれているわけです。

NPO法人 Safe Kids Japan 山中龍宏 理事長
「生後半年は歯が1、2本のため、加熱してドロドロの状態で与えることが大切」