「つらくても、見たくなくても、聞きたくなくても、夫が亡くなった真実を知りたい」

西川さんの妻
「夫が亡くなってから一年、私は朝目覚めるたびに夫がもうそこにはいないことを思い知らされます。夫がいきなり命を奪われた、その理由をどうしても知りたくて裁判に臨んでいます。つらくても、見たくなくても、聞きたくなくても、私達家族は夫が亡くなった真実を知りたい。真実を知らなくては前に進めないのです」

声を震わせながら法廷で話す西川さんの妻。被告人席に座っていた長谷川被告は、終始嗚咽をこらえていて、顔を上げることができませんでした。寺崎被告は姿勢を崩さず話を聞いていました。

妻は、西川さんと息子が事件の前日、言い争いになったまま2度と顔を合わすことができなくなったと語りました。

西川さんの妻
「『おやじ、ごめんな、ゆうべあんな言い方をしてしまって、ごめんな』とむせび泣く息子に、私は『父さんはわかってくれたよ』と伝えることしかできませんでした」

亡くなった西川俊宏さん

被告2人が有罪となった場合、どのような処罰を望むかと検察官に問われると「私の心の中でも整理ついていませんので、明確には言えません」と言葉を詰まらせました。そして裁判員に向かってこう切り出しました。

西川さんの妻
「私達が望む事は、それぞれの裁判員の方の良識に基づいた判断と、世の中の秩序が崩れることのない判断を望むものです。夫に、きちんと説明ができる判決をお願いいたします」