
海鮮丼を食べた後、松林さんは病院にいました。ここが“職場”です。
(松林玲佳さん)
「(Q.普段どんな仕事を?)臨床工学技士、って言って、透析の治療の仕事をしています」

「臨床工学技士」は、患者の医療機器を操作したり医療機器の保守・点検を行ったりする国家資格の専門職です。
(松林玲佳さん)
「(競技との)温度差がすごいというか、不思議な感じですよね。『仕事何してるの?』とトップ選手に聞かれても(答えると)『え?』って言われます」

松林さんは高校卒業後、専門学校で学んで臨床工学技士になり、現在は高知高須病院で人工透析治療を担っています。
(松林玲佳さん)
「祖母が透析をしていて、それで興味がわいて『臨床工学技士になりたいな』と思い、今に至ります。患者さんと関わってお話したりしながらいるのが楽しいですね」
午前の練習を終えたこの日は午後2時半から11時半までの「夜勤」です。
(高知高須病院 臨床工学部 濵田あすか 課長)
「業務自体は他のスタッフと同じようにシフトを組んで働いてくれているので、自分のプライベートの時間だけを使って練習に励んでくれていて、それが結果に結びついている、っていうのは、非常に素晴らしい事だと思いますし、尊敬しています」

陸上界では実業団で競技に集中するトップ選手もいる中、松林さんは“いまの環境が一番”だと話します。
(松林玲佳さん)
「『実業団で(競技を)やる』という考えもあると思うんですけど、高知というか、お家が大好きなので(笑)、県外に行くことはあまり考えていないですね。職場の方の理解もあって今競技を続けてこられているので、いまの現状が一番の環境かなと思っています」

高知を拠点に、仕事と両立しながら全国レベルまで記録を伸ばしてきた松林さん。初めて出場する日本選手権で狙うのは決勝の舞台です。
(松林玲佳さん)
「『走ることが楽しい』っていう気持ちは変わらないですね。(日本選手権では)100m、200m、両方なんですけど、決勝に残ってトップ選手と勝負したいです」
