6月1日に開幕する陸上の日本選手権に、高知県香美市の女性スプリンターが出場します。フルタイムで働きながら空き時間で競技に取り組んでいる“異色”のスプリンター。全国レベルの実力をつけていて決勝進出の期待がかかっています。
香美市に住む、松林玲佳(まつばやし・れいか)さん(25歳)。仕事をしながら競技に取り組む“社会人スプリンター”です。
松林さんは去年、女子100mで11秒90をマークし県記録を29年ぶりに更新すると、その後の四国選手権では11秒69まで記録を伸ばしました。さらに、先日の関西実業団選手権では、女子200mで24秒08の大会新記録をマーク。強豪選手を相手に100mとの2冠を達成し、6月1日に開幕する陸上の日本選手権で決勝進出の期待がかかっています。

(松林玲佳さん)
「目標にしていた日本選手権にようやく出場することが決まって、嬉しい気持ちでいっぱいです。ワクワクします」

松林さんが陸上競技を始めたのは小学1年生の時。母のすすめで地元の「山田クラブ」に入り、当時から短距離が専門でした。その後鏡野中学校に進学すると、3年生の県総体で3位に。岡豊高校時代も四国大会には出場しましたが、全国大会には1度も出場できませんでした。

(松林玲佳さん)
「高校まで、中学校でも一応四国大会には出たんですけど、全国大会には及ばずで…いま全国大会に出られるようになって『成長したな』って感じです」

社会人になってから実力を伸ばした“遅咲き”のスプリンター。そんな松林さんは社会人のクラブチーム「MMG」に所属しています。
(松林玲佳さん)
「だいたいこんな感じでチームメイトと一緒に練習しています。代表には『毎秒、楽しそうやね』って言われます(笑)」
この日は、仕事前の午前9時からの練習です。
(松林玲佳さん)
「(Q.スパイクは裸足で?)私いつも裸足ではいています。ぴったりで。靴下はいたらきついです。雨の日の試合で靴下濡れて『あ、裸足にな~ろう』と思って裸足になったら、裸足の方がフィットして走りやすい」

そんな松林さんを指導するのはクラブの先輩、古井理也(こい・まさや)さんです。
(MMG 古井理也さん)
「体をうまく、全身を連動させて動けるところが彼女の特徴というか、目指しているところでもあり、できているところでもあるので、そこがポイントかなと思います」

古井さんの指導のもと、記録を伸ばしていった松林さん。練習中も「全身の動き」を入念に確認します。
(松林玲佳さん)
「いつもの(スターティング)ブロックはあっちの黒なんですけど、日本選手権はあの青のブロックなので…感じが若干違うのかなと…」

このスターティングブロック、通常は競技場に備わっているものを使いますが、県内の競技場には、日本選手権と同じ新型のものがまだ備わっていないため…

(松林玲佳さん)
「練習したいな、と思って…買いました!(Q.ちなみに、いくら?)3~4万円くらいでした」

確かに、手書きの名前が…!さすがのこだわりっぷりです。2時間ほどで練習が終わり午後からは“仕事”です。
(松林玲佳さん)
「今から海鮮丼を食べに行きます(笑)…で、莉央ちゃん家でゴロゴロしてYouTube見ます…で、お昼寝します…で、夜勤行ってきます」
