現役の医師、中尾さんがミュージカルに挑戦するワケ

中尾さんは、現役の内科医。今回、石井十次というテーマに惹かれ、ミュージカルへの出演を志しました。

(御幸町クリニック院長 中尾愛さん)「このテーマでなかったらチャレンジすることはなかったと思う。一人でもたくさんの子どもを助けたい。一人でも、それから一日でも…。何か通じるものがあるんじゃないかなと」

中尾さんがほれ込んだのは、十次が生涯をもって体現した命との向き合い方でした。
元々、医学の道を志していた十次。一転して孤児院事業を始めたのは、診療所に勤めていたときに貧しい親子と出会い、その子どもをひきとったことがきっかけでした。
十次が子どもの救済に人生を捧げた決意「托鉢主義」

十次の同僚が保管していた史料が残されています。同僚にあてた手紙の中で十次は、子どもの救済に人生を捧げる決意を述べています。

「小生の浅生(人生)を托鉢主義におくり托鉢往生を遂ぐる覚悟にござそうろう」

托鉢主義、つまり、寄付金による孤児院の運営を方針に掲げた十次。自らの財力では収容できる子どもの人数に限りがあるため、人々の援助を受けることで一人でも多くの孤児を救済をしようと考えたのです。

「何処の果ての人の子も人数の限りなく収容しまいらすべし」

十次はその生涯で3000人近くもの孤児を養い、行き場を失った多くの子どもたちの命を救いました。

(御幸町クリニック 中尾愛さん)「『子どもを引き取る場所がないです』と言われても、まず助けてそれから考えようと言われるくらい。そこまで考える社会福祉事業家は、なかなかいないと思います。スケールが大きい」














