4年前に難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者からの依頼を受けて薬物を投与して殺害したなどの罪に問われている元医師の裁判が5月29日に始まりました。この事件は全国のALS患者やその関係者たちに大きな衝撃を与えました。当事者である方に話を聞きました。

65歳のALS患者 35年来の友人らが支援

 京都市北区に住む甲谷匡賛さん(65)は散歩が毎日の日課です。44歳でALSを発症して全身を動すことができません。
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 甲谷さんの35年来の友人でヘルパーの由良部正美さん(64)や、その友人らで立ち上げた支援チームが24時間体制で甲谷さんを介護しています。

 (由良部正美さん)
 「甲谷さんの場合は、腕は曲げた方向に硬直していて、足は伸ばす方向に硬直しています」

 徐々に全身が動かなくなっていく難病のALSは人によって症状はそれぞれ異なり、甲谷さんは自らの意思で体を動かすことができませんが、意図せず動いたり笑ったりすることがあります。

 (由良部正美さん)
 「こういうふうに不随意な笑いとかあくびとかそういうものは表情が豊かに出る」
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 2人が出会ったのは35年前、ビルの窓拭きのアルバイトでした。

 (由良部正美さん)
 「歩き方も風のような感じかな。風が舞っているような雰囲気があって魅力的でしたね。体はすごく鍛えていた」
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 2002年にALSを発症した後、2人が病気について話すことはあまりなかったといいますが、甲谷さんはブログに当時の心境を綴っていました。

 【甲谷さんのブログより】
 『怖い。(「私」が消えることが・・!)』
 『比較して嘆いてみても意味がない。ワタシはただただこうなのだ。遺書のつもりで、日記を書いている』