原発事故による福島第一原発の処理水について政府は、福島県いわき市で流通業者などに対して安全性を伝えるシンポジウムを開きました。

政府は、福島第一原発の処理水について、「今年春から夏ごろ」に海洋放出を開始する方針を示しています。

こうした中、政府は29日、いわき市で、処理水の安全性などに関するシンポジウムを開き、ウェブ参加を中心に流通業者などおよそ300人が参加しました。

シンポジウムでは、政府の担当者が、放出後の海域や水産物のモニタリングを強化することを説明。また、東京電力の担当者からは、処理水の水槽で飼育している海洋生物のトリチウム濃度は、一定期間がたてば平衡状態になることが報告されました。

一方、参加者からは、「水産関係者の了解をどのように取ろうと思っているのか」との質問がありました。

経済産業省 竹島睦審議官「漁業関係者を含め、広く国民の皆様にご理解いただくように引き続き説明をさせていただいています」

このあと、原子力規制庁から、処理水の海洋放出に関しては、設備面と運用面での実施計画を共に認可したとの報告があり、規制庁では、運用体制などを引き続き厳正に検査していくということです。

処理水の海洋放出をめぐっては、県漁連では、反対の立ち位置を崩しておらず、今後、関係者の理解をいかに得られるかが課題です。