大分県別府市で去年、大学生2人が死傷したひき逃げ事件の発生から11か月がたち、遺族が「容疑者が捕まらない苛立ちをどうしても警察に向けてしまう」などと胸の内を明かしました。
この事件は去年6月29日の午後7時45分ごろ、別府市野口原の県道で八田與一容疑者が運転する軽乗用車が信号停止中のバイク2台に追突。大学生2人を死傷させてそのまま逃走したもので、警察はひき逃げの疑いで公開捜査しています。

警察はこれまでに八田容疑者の車から見つかったスリッパやスニーカー、リュックサックのほか、海岸近くで脱ぎ捨てたTシャツを公開しました。また、車内には数千円が入った財布やスマートフォン、事件直前に購入したコップやレシートも見つかっているということです。

さらに警察は八田容疑者の知人提供の動画や事件前後の防犯カメラの映像も公開し、情報提供を呼びかけています。
県警によりますと29日までに八田容疑者に関係する情報が495件寄せられ、そのうちおよそ9割が、容疑者に似た人物の目撃情報です。
事件発生から未解決のまま29日で11か月となり、亡くなった大学生の母親がコメントを出し、胸の内を明かしました。
【コメント全文】
「一丸となってこんなに捕まらないなんて。スマホも財布も車内に置いたまま、すぐに容疑者の身元も明らかになっているのにどうして。これが正直な気持ちです。事件から11ヶ月も経った今、容疑者が捕まらない苛立ちをどうしても警察に向けてしまう。怒りの矛先をどうしても探してしまう。警察の皆さま、申し訳ありません。
普通の生活に戻れない焦りと不安。容疑者への怒り。あの日あの時、たったの数分間、八田容疑者と出会ってしまったばっかりに。悔しい。そんな思いばかりで思いきり泣くこともまだできていません。
怒り、悔しさ、悲しみでくたくたになりながら、それでも前に進まなければなりません。前に進みたいのです。先日、別府署を訪れた時、多くの警察幹部の方が私の所に挨拶に来てくださいました。1年かけずに必ず捕まえたいと意気込みを話してくださいました。信じます。信じてみます。
警察の力、メディアの力、SNSの力、協力してくださる全ての方の力を借りて、一丸となり八田容疑者を逮捕したいです。どうか皆さん力を貸してください。よろしくお願いいたします」
【情報提供先】 別府警察署 0977-21-2131