ホスピスでのケアを含めた、人生の最期を過ごす医療を「終末期医療」といいます。具体的には、余命宣告をされた患者が、心身ともに穏やかに過ごせるよう、薬を投与したり、精神的なケアをしたりする医療のことです。

高齢化の進展などで、2040年には、49万人がこの終末期医療を受けられない可能性があるとの試算があります。

政府は、医療費を抑制するため、在宅でのケアを推進していますが、末期がん患者をはじめ、自宅でのケアが難しい人たちもいます。

では、人生の最期をどこで迎えたいのか。およそ6割が、自宅を望んでいるという、調査結果があります。「一番安心できる場所」「死ぬときも自分らしく死にたい」といった理由があげられています。

一方で、政府の調査によれば、7割以上が病院で亡くなっていて、自宅で亡くなった人は、1割にとどまっています。

また、自宅での看取りは、家族にも負担がかかります。親世代が自宅で最期を迎えたいと答えた人の子ども世代に心配な点を聞いたところ、「どのくらいの期間が必要かわからない」と答えた人が半数近くにのぼりました。

多くの人が自宅で人生を終えたいと望む一方で、それがかなえられない現実がわかるかと思います。必ず訪れる人生の最期をどう過ごすのか。社会的な課題とともに、身近な人と話しておく必要もありそうです。