愛知県豊田市の明治用水の取水施設で起きた大規模な漏水で、愛知県は、農業用水を確保するため、近くの河川の水を明治用水に流す方針を固めました。

(横山朋未記者)
「豊田市にある明治用水の取水施設です。川の水位はさらに下がっているように感じます。さらに仮設ポンプを増やし、現在、およそ60台のポンプで水をくみ上げています」


明治用水からの工業用水については、19日午後7時から、段階的に供給が再開されましたが、農業用水は供給が止まったままです。


そのため、愛知県は農業用水を確保するため、明治用水と交差して流れる猿渡川(さわたりがわ)と家下川(やしたがわ)から、水を仮設ポンプでくみ上げ、明治用水に流す方針を固めました。



水をくみ上げる具体的な日時などは決まっていませんが、20日にも、くみ上げ場所を決める現地調査を行い、今後、水をくみ上げる川をさらに増やすことも検討しているということです。

この措置は、あくまで応急的なものですが、農業用水の供給停止はこの時期、田植えなどに大きな影響を与えていて、いち早い復旧が望まれます。

(東海農政局 小林勝利局長)
「できる限り早期に再開したい。5月中をめどに、最低限必要な水を供給するように」

水漏れが起きた明治用水頭首工を所管する東海農政局は、午前11時から会見を開き、5月中をめどに、農業用水の復旧を目指す考えを明らかにしました。


東海農政局によりますと、工業用水は既に確保できたということで、5月中に、仮設ポンプをあわせて110台に増やし、農業への対応を急ぐ方針です。