世界中を驚かせたウクライナ・ゼレンスキー大統領の電撃来日。約30時間の滞在中、各国の首脳らと相次いで会談しました。また、広島の平和公園を訪問し原爆資料館を視察したほか、慰霊碑に花を手向けました。広島に避難してきたウクライナ人たちも見守っていた今回の来日。どうやって実現できたのでしょうか。

ゼレンスキー氏電撃来日「全ての重要な点で理解し合えた」

今回、広島を“電撃訪問”したウクライナのゼレンスキー大統領。帰国する飛行機の中で、一連の外交の成果を、こう強調しました。

ゼレンスキー大統領
「ウクライナにとって全ての重要な点で理解し合えた」

ゼレンスキー大統領は20日、広島空港に降り立ちました。各国の首脳が待つ、サミット会場に向かう途中…

「こちらG7サミットのメイン会場につながる道なんですけど、多くの警察官や報道陣、そしてウクライナのゼレンスキー大統領を一目見ようと多くの市民が集まっています」

警察の呼びかけ
「皆さんに見てもらうために、前列の方はちょっと(しゃがんでのジェスチャー)」

車両が近づくと、緊張感が高まります。

記者
「非常に物々しい雰囲気の中、サミットのメイン会場に…今沿道の方をゼレンスキー大統領が見ていました」

会場に到着すると、ゼレンスキー大統領はイギリスフランスイタリアドイツの首脳と相次いで会談。また、サミット招待国で長年、ロシアと友好関係にあるインドのモディ首相とも会談し、ウクライナが示す和平案を説明し協力を呼びかけました。

インド モディ首相
「私たちはウクライナの人々に人道支援を提供し続けます

ただ、ロシア寄りと指摘されるブラジルのルラ大統領との会談は実現していません

ブラジル ルラ大統領
「うんざりしている。ゼレンスキー大統領と議論するために会談を予定していたのだから」

G7会合にはゼレンスキー大統領も参加し、ウクライナに対し軍事支援などを必要な限り提供していくことで一致

アメリカのバイデン大統領は、F16戦闘機の訓練と機体の供与を容認することを表明しました。

アメリカ バイデン大統領
「今、我々はウクライナがこれまで対処してきた以上の方法で、自衛できるような状態にする方向で動いている」

岸田総理との首脳会談は、約50分間行われました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「今回のサミットで、これだけウクライナに注目をいただいたこと、特にウクライナの主権、領土一体性及びウクライナの人たちに対する支持を表明していただいたこと、一生忘れることはありません」