5月19日から行われている「G7広島サミット」に参加するアメリカのバイデン大統領をはじめとするG7首脳らが、19日に平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に揃って献花をしました。また首脳らは原爆資料館を約40分間にわたり視察しました。緊迫した警備の中、平和記念公園に向かう沿道には各国首脳の様子を見ようと大勢の人が集まっていました。

取材に答える澤井義征さん

その中にアメリカ・バイデン大統領の車列を神妙な面持ちで待っていた男性がいました。広島市に住む澤井義征さん(78)です。澤井さんは生後5か月の時に爆心地から北西約1.4kmの場所にある自宅で被爆したということです。

(澤井さん)
「私は当時家の中で寝かされていました。家は倒壊しませんでしたが、焼けてしまいました。私の母が額から血を流しながらも(私を)必死に抱きかかえながら連れ出し、奇跡的に一命をとりとめました。当時のことは鮮明に記憶はありませんが、後に母から聞いています。言葉には言い表せないぐらい悲惨です。核爆弾が街をどんなに変え、人をどんな目に合わせるか。資料館を見学していかに悲惨かを見てもらい、二度と核兵器を使わないでと言いたい」

バイデン大統領を乗せた車列

現職のアメリカ大統領としては2人目となる平和記念公園・原爆資料館への訪問。大統領を乗せた車列が通り過ぎた後、澤井さんは次のように話しました。

(澤井さん)
「(車列が通りましたが?)来られたというだけです。(核兵器を使用することは)いかに悲惨かを勉強してもらいたい。(核兵器は)絶対に使ってはいけない。悲惨すぎますよね。悲惨なことがあってはならない」