インドでは、人口の増加とともに深刻なごみ問題に直面しています。中でも、環境汚染をもたらすプラスチックごみを減らすためのあるユニークな取り組みを取材しました。
インド南部の都市・ベンガルール。欧米企業が多く進出し、近代化が進んでいますが、街のあちこちに大量のごみが不法投棄されています。
記者
「このごみ捨て場、出来てまだ4、5年だということなんですが、ごみが山積みになっています」
インドではごみの焼却施設がほとんどなく、リサイクルに回されないものは埋め立てられます。
こうした現状を変えようと、自治体と環境団体が協力して進めているのが、ごみの回収・分別を強化し、廃棄されるプラスチックごみを減らす“循環型リサイクル”の取り組みです。
ごみ回収車が住宅街を回り、荷台の上で職員が生ごみとそれ以外を大まかに分けていきます。集められたごみの行く先は、分別施設です。ペットボトルやプラスチックの袋など壁に貼られた見本通りに細かく分別していきます。その数、およそ20種類。
実際に分別作業をやってみると…
記者
「結構大変な作業ですね。プラスチックも色々な種類があるので、どれをどこに分別するのか覚えたり、知識がないとなかなかできない作業ですね」
中でも、最もリサイクルが困難とされるのが「多層プラスチック」です。アルミなど複数の材料を使っているためリサイクルが難しく、埋め立てるしかありませんでしたが、テーブルなどに使うボードや屋根瓦に生まれ変わらせ、再利用できるようにしました。
また、この取り組みは、貧困に苦しむ女性たちの雇用も生み出しています。分別施設での仕分け作業や住宅を一軒一軒回るごみの回収など、安全で定期的に収入を得られる労働環境を目指しているのです。
環境団体「リパーパス」 ニキラ・スリニバスさん
「私たちは、多くの人たちが正規に雇用され、ごみ処理に携わるすべての人が安全を確保し、誇りをもって仕事ができることを望んでいます」
では、こうした活動の「資金」はどこから来ているのでしょうか。
こちらは、イギリス北部の街にある矯正歯科医院です。矯正で使うプラスチック製のマウスピースは衛生面などの理由でリサイクルできません。そこで、この矯正歯科では、廃棄されるプラスチックの重さに応じて環境団体へ資金を提供し、2年間で50トン分、およそ400万円を寄付しました。
クイーンズウェイ矯正歯科 ガイ・ディーミング医師
「患者はストローなど使い捨てプラスチックを見るとネガティブに捉えます。それはここでも同じです。しかし、私がプロジェクトについて説明すると、『それは素晴らしい』と安心して協力してくれます」
“循環型リサイクル”の取り組みは世界5か国で行われていて、協賛企業はおよそ280にのぼります。
使い捨てプラスチックを製造・使用する企業に対する責任が問われる中、こうした活動はさらに広がっていきそうです。
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